急性毒性
経口
【分類根拠】 (1)~(3) より、ガイダンスの區(qū)分外 (國連分類基準(zhǔn)の區(qū)分5) 又は區(qū)分外に相當(dāng)し、區(qū)分に該當(dāng)しないとした。
【根拠データ】 (1) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (厚労省既存化學(xué)物質(zhì)毒性データベース (Access on May 2015)、NTP TR587 (2014)、EHC 172 (1995)) (2) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (環(huán)境省リスク評価第1巻 (2002)、EHC 172 (1995)) (3) ラットのLD50: > 50,000 mg/kg (EU-RAR (2006))
経皮
【分類根拠】 (1)~(3) より、區(qū)分に該當(dāng)しないとした。
【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: > 1,000 mg/kg (NTP TR587 (2014)) (2) ウサギのLD50: > 2,000 mg/kg (環(huán)境省リスク評価第1巻 (2002)、EHC 172 (1995)) (3) ウサギのLD50: > 10,000 mg/kg (EU-RAR (2006))
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における固體であり、ガイダンスにおける分類対象外に相當(dāng)し、區(qū)分に該當(dāng)しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 (1) より、區(qū)分4とした。なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (0.000001 mg/L) よりも高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準(zhǔn)値を適用した。
【根拠データ】 (1) ラットのLC50値 (2時間): 2.5 mg/L (4時間換算値: 1.25 mg/L) (NICNAS PEC (2001))
【參考データ等】 (2) ラットにエアロゾルを0.5 mg/Lで8時間 (4時間換算値: 1.0 mg/L) 吸入させた結(jié)果、無影響であった (EU-RAR (2006)、EHC 172 (1995)) (3) ラットにエアロゾルを1.3 mg/Lで1時間 (4時間換算値: 0.325 mg/L) 吸入させた結(jié)果、無影響であった (EU-RAR (2006))
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】 (1)、(2) より、區(qū)分に該當(dāng)しないとした。
【根拠データ】 (1) ウサギを用いた別の皮膚刺激性試験の報(bào)告が複數(shù)あり、本物質(zhì)500 mgを適用した結(jié)果、刺激性はみられなかったと報(bào)告されている (EHC 172 (1995)、EU-RAR (2006)、BUA 239 (2002))。 (2) EU-RAR (2006) では、本物質(zhì)は皮膚刺激性はないと結(jié)論している (EU-RAR (2006))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】 (1)~(3) より、區(qū)分に該當(dāng)しないとした。
【根拠データ】 (1) ウサギを用いた眼刺激性試験報(bào)告が複數(shù)あり (EHC 172 (1995)、EU-RAR (2006))、本物質(zhì)の適用により刺激性はみられなかった。 (2) 軽度の結(jié)膜の発赤、結(jié)膜炎、わずかな流涙などがみられたが全て7日以內(nèi)に回復(fù)性を示したとの報(bào)告がある (EU-RAR (2006)、EHC 172 (1995))。 (3) EU-RAR (2006) では、本物質(zhì)は眼刺激性はないと結(jié)論している (EU-RAR (2006))。
【參考データ等】 (4) ウサギを用いた眼刺激性試験において、適用24時間後に軽度~中等度の結(jié)膜発赤がみられたが、72時間後までに回復(fù)したとの報(bào)告がある (BUA 239 (2002))。
呼吸器感作性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】 (1)、(2) の報(bào)告はあるが試験の詳細(xì)が不明であるため分類に用いるには不十分なデータと判斷し、データ不足のため分類できないとした。
【參考データ等】 (1) モルモットを用いた感作性試験において、本物質(zhì)による感作性はみられなかったとの報(bào)告がある (EHC 172 (1995)、EU-RAR (2006))。 (2) 54人のボランティアに本物質(zhì)3~5 mgを上腕部に計(jì)10回閉塞貼付後、10~14日後に別部位に72時間再貼付し観察した結(jié)果、1例でパッチ除去直後に軽度の発赤がみられたが。テープの刺激と判斷し、本物質(zhì)の感作性は陰性とした。 (EU-RAR (2006))。
生殖細(xì)胞変異原性
【分類根拠】 (1)、(2) より、ガイダンスにおける分類できないに相當(dāng)し、區(qū)分に該當(dāng)しない。
【根拠データ】 (1) in vivoでは強(qiáng)制経口投與によるマウス末梢血赤血球の小核試験で陰性との報(bào)告がある (NTP TR587 (2014))。 (2) in vitroでは細(xì)菌の復(fù)帰突然変異試験、哺乳類培養(yǎng)細(xì)胞の染色體異常試験、姉妹染色分體交換試験、不定期DNA合成試験でいずれも陰性の結(jié)果であった(NTP TR587 (2014)、IARC 115 (2018)、EHC 172 (1995)、EU-RAR (2006)、厚労省既存化學(xué)物質(zhì)毒性データベース (Access on May 2019)、EFSA (2011))。
発がん性
【分類根拠】 (1) の既存分類結(jié)果から、ガイダンスに従い區(qū)分1Bとした。なお、新たな情報(bào)源の利用により、舊分類から區(qū)分を変更した。
【根拠データ】 (1) 國內(nèi)外の分類機(jī)関による既存分類では、IARCがグループ2A (IARC 115 (2018)) に分類している。
【參考データ等】 (2) ラットを用いた2年間強(qiáng)制経口投與による発がん性試験 (250、500、1,000 mg/kg) において、500 mg/kg以上で、子宮における腺がん、腺腫又は悪性ミューラー管混合腫瘍の単獨(dú)又は合計(jì)の発生頻度の増加、精巣間細(xì)胞腺腫の発生頻度増加が認(rèn)められた。これらのうち、雌ラットの子宮の上皮性腫瘍 (主に子宮の腺がん) に対しては発がん性の明らかな証拠 (clear evidence) があるとしたが、雄ラットの精巣間細(xì)胞は曖昧な証拠 (equivocal evidence) と結(jié)論された (NTP TR587 (2014))。 (3) マウスを用いた2年間強(qiáng)制経口投與による発がん性試験 (250、500、1,000 mg/kg) において、250 mg/kgの雄に肝芽腫、肝細(xì)胞がんの単獨(dú)又は合計(jì)の発生頻度の増加、250及び500 mg/kg投與の雄に盲腸又は結(jié)腸の腺腫又はがんの発生頻度増加、及び血管肉腫 (全臓器) の発生頻度増加が認(rèn)められた。これらのうち、雄マウスの肝芽腫に対しては発がん性のある程度の証拠 (some evidence) があるとした一方、雌マウスには発がん性の証拠なしと結(jié)論された (NTP TR587 (2014))。 (4) 発がん性メカニズムに関する複數(shù)の試験により、本物質(zhì)は発がん物質(zhì)の重要な特徴 (核內(nèi)受容體への作用、內(nèi)分泌かく亂作用、酸化ストレス作用及び免疫抑制作用) を有する強(qiáng)固な証拠 (strong evidence) があり、これらはヒトにおいて有効であり得るとし、IARCワーキンググループは本物質(zhì)を2Aに分類した (IARC 115 (2018))。
生殖毒性
【分類根拠】 (1)、(2) から児動物の神経発生?発達(dá)への有害性影響を示唆する知見が報(bào)告されていることから、區(qū)分1Bとした。參考データに示した通り、多くの標(biāo)準(zhǔn)的な生殖毒性試験において生殖発生影響は認(rèn)められなかったが、(1)、(2) のごとく、特殊な実験條件下でのみ検出可能な次世代の神経発生?発達(dá)影響を重視し、本區(qū)分とした。また、(1)、(2) は妊娠期?授乳期への投與による所見であること、(3) より、ヒト母乳から本物質(zhì)が検出されていることを踏まえ、授乳影響を追加した。
【根拠データ】 (1) ラットを用いた1世代生殖毒性試験において、親動物に対する影響として血清T4レベルの低値がみられた。児動物では生後50~110日齢で実施された聴覚脳幹誘発電位の検査において難聴を示す所見がみられたと報(bào)告されている (Lilienthal, H. et al., Toxicology, 246 (1) (2008); Van der Ven, L.T. et al., Toxicology, 245 (1-2) (2008))。 (2) 妊娠ラットを用いて妊娠10日から分娩後20日まで混餌投與した試験において、生後20日の新生児の海馬歯狀回の顆粒細(xì)胞下帯でアポトーシス小體の増加がみられ、神経発生障害を示唆する所見とされた (Saegusa, Y. et al., Arch. Toxicol., 86 (9) (2012))。 (3) ドイツ及びノルウェーでの疫學(xué)研究で、母乳サンプルの分析の結(jié)果、母乳脂質(zhì)成分から本物質(zhì)が検出されている (EU-RAR (2006))。
【參考データ】 (4) ラットを用いた強(qiáng)制経口投與による2世代生殖毒性試験において、親動物に対する影響として血清T4レベルの低値、體重増加抑制がみられたが、生殖能、児動物に対する影響はみられていない (EU-RAR (2006))。
(5) ラットを用いた2世代生殖毒性試験において、親動物に対する影響として血清T4レベルの低下がみられたものの、親動物の生殖能に影響はみられず、児動物への影響として畫像解析検査の結(jié)果、F2児動物に頭頂骨皮質(zhì)の厚さのわずかな減少がみられたが、病理組織學(xué)的変化を伴わず、生物學(xué)的意義は不明と報(bào)告されている (Cope, R. B. et al., Toxicology, 329 (2015))。 (6) 妊娠ラットを用いて妊娠0~19日に強(qiáng)制経口投與した発生毒性試験において、母動物、胎児共に影響がみられていない (EU-RAR (2006)、環(huán)境省リスク評価第1巻 (2002))。 (7) 雌ラットの妊娠7~生後19日に経口投與した神経発達(dá)毒性試験 (OECD TG 426) において、母動物に対する影響はみられず、児動物において順化能、學(xué)習(xí)?記憶能のわずかな低下が観察されたが、被験物質(zhì)投與による影響かどうか結(jié)論できなかったと記述されている (EU-RAR (2006))。
特定標(biāo)的臓器毒性 (単回ばく露)
【分類根拠】 本物質(zhì)の急性影響に関するヒトでの報(bào)告はない。実験動物では、経口及び経皮経路では區(qū)分に該當(dāng)しない。しかしながら、吸入経路では區(qū)分1上限の濃度で毒性影響がみられなかったとの報(bào)告があるものの、區(qū)分2上限での影響が不明であるため分類できない。したがって分類できないとした。
【參考データ等】 (1) ラットを用いた3件の単回経口投與試験で、2,000 mg/kg (區(qū)分2上限) 又は5,000 mg/kg (區(qū)分2超) でも毒性癥狀はみられず、剖検でも投與関連病変は認(rèn)められなかったとの報(bào)告がある (EU-RAR (2006)、厚労省既存化學(xué)物質(zhì)毒性データベース (Access on May 2019)、EHC 172 (1995))。 (2) ウサギを用いた3件の単回経皮投與試験で、2,000 mg.kg (區(qū)分2上限) 又は3,160 mg/kg (區(qū)分2超) でも毒性癥狀はみられず、剖検でも投與関連病変は認(rèn)められなかったとの報(bào)告がある (EU-RAR (2006)、EHC 172 (1995))。 (3) ラット、マウス及びモルモットに本物質(zhì)のエアロゾル0.5 mg/Lを8時間単回吸入ばく露した試験 (4時間換算値: 1 mg/L、區(qū)分1上限) で、毒性癥狀はみられず、剖検でも投與関連病変は認(rèn)められなかったとの報(bào)告がある (EU-RAR (2006)、EHC 172 (1995))。また、ラットに本物質(zhì)のエアロゾル1.3 mg/Lを1時間単回吸入ばく露した試験 (4時間換算値: 0.325 mg/L、區(qū)分1) で、死亡例はなく、毒性癥狀も認(rèn)められなかったとの報(bào)告がある (EU-RAR (2006))。
特定標(biāo)的臓器毒性 (反復(fù)ばく露)
【分類根拠】 (1)~(5) より、経口経路では區(qū)分に該當(dāng)しない。他経路についてはデータがなく分類できない。
【根拠データ】 (1) マウスを用いた14週間の強(qiáng)制経口投與毒性試験において、500 mg/kg/day (90日換算: 389 mg/kg/day、區(qū)分2超) 以上で腎臓の尿細(xì)管細(xì)胞質(zhì)変性がみられた (NTP TR587 (2014))。 (2) ラットを用いた14週間の強(qiáng)制経口投與毒性試験において、500 mg/kg/day (90日換算: 389 mg/kg/day、區(qū)分2超) 以上で肝臓重量増加、貧血がみられた (NTP TR587 (2014))。 (3) マウスを用いた3ヵ月間の経口混餌投與毒性試験において、15,600 ppm (2,200 mg/kg/day、區(qū)分2超) 以上で體重低下、貧血、中性脂肪低下、総タンパク低下、脾臓の重量増加?出血が報(bào)告されている (環(huán)境省リスク評価第1巻 (2002)、EHC 172 (1995)、NTP TR587 (2014))。 (4) マウスを用いた2年間の強(qiáng)制経口投與毒性試験において、250 mg/kg/day (區(qū)分2超) 以上で腎臓の尿細(xì)管細(xì)胞質(zhì)変性、前胃の潰瘍?単核細(xì)胞浸潤?炎癥?上皮過形成がみられた (NTP TR587 (2014))。 (5) ラットを用いた2年間の強(qiáng)制経口投與毒性試験の3ヵ月の検査において1,000 mg/kg/day (區(qū)分2超) で肝臓重量増加がみられた (NTP TR587 (2014))。
誤えん有害性*
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項(xiàng)目名が変更となった。