急性毒性
経口
ラットのLD50値として、 5,800 mg/kg (環(huán)境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート (2008)、SIDS (2002)、ACGIH (7th, 2001)、EHC 207 (1998)、ATSDR (1994))、 8,400 mg/kg (SIDS (2002)、ACGIH (7th, 2001)、EHC 207 (1998)、ATSDR (1994))、 7,138 mg/kg (若成獣)、 6,667 mg/kg (老成獣) (IRIS (2003)、SIDS (2002)、EHC 207 (1998)、ATSDR (1994))、 9,800 mg/kg (ACGIH (7th, 2001))、 9,883 mg/kg (ATSDR (1994))、 1,726-9,833 mg/kg (ATSDR (1994))、 5,800-10,000 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) との報告に基づき、區(qū)分外とした。なお、1,726-9,833 mg/kg及び5,800-10,000 mg/kgは集約データであるために該當數(shù)に含めなかった。
経皮
ウサギのLD50値として、> 7,400mg/kg (SIDS (2002))、> 15,700 mg/kg (SIDS (2002)、ATSDR (1994))、20,000 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2001)) との報告に基づき、區(qū)分外とした。
吸入:ガス
GHSの定義における液體である。
吸入:蒸気
ラットのLC50 (4時間) として、32,000 ppm (PATTY (6th, 2012)、SIDS (2002)、EHC 207 (1998)、ATSDR (1994))、LC50 (8時間) からの4時間換算値LC50として、29,698 ppm (PATTY (6th, 2012)、SIDS (2002)、EHC 207 (1998)、ATSDR (1994))、70,852 ppm (環(huán)境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート (2008)、SIDS (2002)) との報告に基づき、區(qū)分外とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (236,920 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
吸入:粉じん及びミスト
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
ウサギに本物質0.01 mLを適用した皮膚刺激性試験において、刺激性はみられなかったとの報告がある (SIDS (2002)、EHC 207 (1998)) ことから、區(qū)分外とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
ウサギを用いた多數(shù)の眼刺激性試験において、強い刺激性が認められており (SIDS (2002)、EHC 207 (1998)、ACGIH (7th, 2001))、結膜浮腫や角膜壊死 (EHC 207 (1998))、角膜中心部の厚さの増大 (ACGIH (7th, 2001)) などがみられた。SIDS (2002) には、本物質の適用により角膜上皮は破壊されるが、基質までは至らず4-6日で回復性を示し、本物質は腐食性の眼刺激性ではないとの記載がある (SIDS (2002))。以上の結果から區(qū)分2Bとした。また、ヒトの疫學情報において、本物質の蒸気ばく露により眼刺激性を示したとの報告がある (環(huán)境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート (2008)、EHC 207 (1998))。なお、本物質は、EU DSD分類において「Xi; R36」、EU CLP分類において「Eye. Irrit. 2 H319」に分類されている。
呼吸器感作性
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
マウス耳介腫脹試験及びモルモットを用いたマキシマイゼーション試験において陰性を示したとの報告があり、SIDS (2002) 及びEHC 207 (1998) において本物質は感作性物質ではないとの記載がある。以上の結果より區(qū)分外と判斷した。
生殖細胞変異原性
ガイダンスの改訂により「區(qū)分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス及びハムスターの赤血球を用いる小核試験で陰性 (SIDS (2002)、EHC 207 (1998)、NTP DB (Access on July 2014))、in vitroでは、哺乳類培養(yǎng)細胞を用いる染色體異常試験の非代謝活性化系でのみ一例の陽性結果 (ACGIH (7th, 2001)) があるが、その他、細菌を用いる復帰突然変異試験、哺乳類培養(yǎng)細胞を用いる遺伝子突然変異試験、染色體異常試験、姉妹染色分體交換試験でいずれも陰性 (SIDS (2002)、ACGIH (7th, 2001)、EHC 207 (1998)、PATTY (6th, 2012)、NTP DB (Access on July 2014)) である。
発がん性
ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2001))、EPAでD (IRIS (2003)) のため、「分類できない」とした。
生殖毒性
疫學調査で流産への影響なし (ATSDR (1994)) という報告がある。ラットを用いた吸入経路での催奇形性試験において母動物毒性 (體重増加抑制) がみられる高濃度ばく露 (11,000 ppm (26.1mg/L)) で胎児體重減少がみられ、胎児の奇形の発現(xiàn)率に有意な増加はみられなかったが、1つ以上の奇形のある児を持つ母動物の増加 (11.5%) (対照群:3.8%) (EHC 207 (1998)) が報告されている。また、マウスを用いた吸入経路での催奇形性試験において母動物毒性 (肝臓の相対重量増加) がみられる高濃度ばく露 (6,600 ppm (15.6 mg/L)) で胎児體重減少、後期吸収胚の増加 (EHC 207 (1998)) が報告されている。EHCでは、ヒトと動物で更に検討が必要であるとの記載がある。したがって、區(qū)分2とした。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
ヒトにおいては、吸入経路では、アセトン蒸気のばく露で中等度の気道刺激性の報告 (PATTY (6th, 2012)、SIDS (2002)、環(huán)境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート (2008))、100 ppm (6h) の蒸気ばく露で喉及び気管の刺激 (ACGIH (7th, 2001))、500、1000 ppmのばく露で鼻、喉、気管の刺激 (EHC 207 (1998))、100-12,000 ppm、2分-6時間のばく露で、鼻、喉、気管、肺の刺激の報告、めまい、嘔吐、非協(xié)調動作、協(xié)調會話の喪失、眠気、意識消失、昏睡など中樞神経抑制が報告されている (ATSDR (1994)、ACGIH (7th, 2001)、SIDS (2002)、環(huán)境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート (2008))。ほとんどの癥狀は一過性であり回復性がある (SIDS (2002)) が、わずかに死亡例の報告もある (PATTY (6th, 2012))。 経口経路では、吐き気、嘔吐、誤飲のような大量ばく露で、けん怠感、刺激、めまい、呼吸のムラ、嘔吐、胃腸障害の進行、意識障害、無反応といった中樞神経抑制、刺激が主である (環(huán)境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート (2008)、SIDS (2002)、IRIS TR (2003))。 実験動物では、アセトン蒸気ばく露の急性影響は、ヒト中毒の癥例で見られる中樞神経系抑制と同じである。眠気、協(xié)調欠如、自律反射の喪失、昏睡、呼吸器障害、死亡が報告されている (SIDS (2002)、ACGIH (7th, 2001))。 以上より、アセトンは気道に対する中等度の刺激性及び軽度の中樞神経抑制作用があり、區(qū)分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
ヒトでは本物質700 ppmに3時間/日、7-15年間、吸入ばく露された作業(yè)者において、職業(yè)ばく露による影響として、めまい、脫力感とともに呼吸器、胃及び十二指腸に炎癥がみられた (ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol.7 (1996)) との記述があり、ATSDR Addendum (2011) による再評価でも、ヒトでの本物質ばく露による標的臓器は呼吸器、消化管、神経系が中心であると報告されている (ATSDR Addendum (2011))。また、ATSDR Addendum (2011) は本物質を含む製品のばく露により腎炎、腎不全を生じた癥例報告 (慢性中毒癥例としては糸球體腎癥と尿細管間質性腎炎を発癥例1例 (原著報告年: 2002年)、ばく露期間が不明で急性中毒癥例の可能性が高い腎不全癥例1例 (原著報告年: 2003年)) から、腎臓も標的臓器に挙げているが、癥例數(shù)が1ないし2件と少なく、標的臓器として今回の分類に加えるには証拠は十分とは言いがたい。 一方、ACGIH (7th, 2001) にはボランティアに500 ppmの濃度で6時間/日、6日間吸入ばく露した結果、血液系への影響 (白血球數(shù)及び好酸球數(shù)の増加、好中球の貪食作用の減少) がみられたとの記述があり、舊分類における區(qū)分2 (血液系) の根拠とされたが、ACGIH (7th, 2001) には血液影響はみられないとの報告も併記されており、本物質の600又は1,000 ppmに5年以上ばく露を受けた群と対照群を比較した疫學研究では血液影響を生じないことが確認された (DFGOT vol.7 (1996)) との記述、さらにこれらより新しいIRIS (2003)、ATSDR Addendum (2011) による有害性評価ではヒトばく露による血液影響の記述がないことから、血液系は標的臓器から除外することとした。したがって、ヒトでの新しい知見に基づき、分類は區(qū)分1 (中樞神経系、呼吸器、消化管) とした。 なお、実験動物ではラット及びマウスを用いた13週間飲水投與試験、並びにラットの13週間強制経口投與試験において、いずれも區(qū)分2までの用量範囲で、明らかな毒性影響はみられていない (SIDS (2002))。
吸引性呼吸器有害性
データ不足のため分類できない。なお、動粘性率は計算値で0.426 mm2/sec (20℃、CERI計算値) であり、吸引による化學性肺炎を生じるとのデータはないが、C13以下のケトンであることより國連分類基準では區(qū)分2相當である。