急性毒性
経口
GHS分類: 區(qū)分4 ラットのLD50値として、0.78 mL/kg (764 mg/kg) (雄)、0.59 mL/kg (578 mg/kg) (雌) (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2011)、SIDS (2003))、1,000 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) との報告に基づき、區(qū)分4とした。
経皮
GHS分類: 區(qū)分3 ウサギのLD50値として、1,375 mg/kg (雄)、790 mg/kg (雌) との2件の報告 (ACGIH (7th, 2011)、SIDS (2003)) がある。區(qū)分3と區(qū)分4とにそれぞれ1件づつが該當するので、LD50値の最小値が該當する?yún)^(qū)分3とした。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における液體である。
吸入:蒸気
GHS分類: 區(qū)分3 ラットのLC50値 (4時間) として、1,224 ppmとの報告 (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2011)、SIDS (2003)) に基づき、區(qū)分3とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (9,181 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
GHS分類: 區(qū)分外 ウサギを用いた皮膚刺激性試験のおいて、未希釈の本物質0.5 mLを4時間を閉塞適用した結果、軽度の紅斑又は軽度から中等度の浮腫がみられたが、7日後には軽度の落屑がみられたのみで回復性を示したとの記載がある (SIDS (2003)、ACGIH (7th, 2011)、PATTY (6th, 2012))。以上の結果から區(qū)分外 (國連分類基準の區(qū)分3) とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
GHS分類: 區(qū)分2B ウサギを用いたドレイズ試験において、未希釈の本物質0.1 mLを適用した結果、投與1時間後に軽度の結膜発赤、軽度から中等度の結膜浮腫及び分泌物、軽度の虹彩炎が認められたが、24時間後には全て回復した (SIDS (2003))。以上、軽度から中等度の刺激性がみられたことから區(qū)分2Bとした。
呼吸器感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、ヒト12人に対するパッチテストで2人に陽性反応、7人に疑わしい結果 (doubtful) がみられたとの報告があるが、著者らはこの試験による反応は刺激によるものであると記述し (SIDS (2003))、さらに、モルモットを用いた皮膚感作性試験において1匹にのみ弱い反応がみられ、曖昧な結果と評価されている (SIDS (2003)、PATTY (6th, 2012))。
生殖細胞変異原性
GHS分類: 區(qū)分2 In vivoでは、ラットの吸入ばく露による優(yōu)性致死試験で軽微な影響がみられたが、対照群と被験物質投與群の間で値のばらつきが大きく、統(tǒng)計學的有意差が得られたと評価されておらず、陽性の判斷はされていない (SIDS (2003))。マウス精原細胞の染色體異常試験で、陰性 (SIDS (2003))、マウス、ラットの吸入ばく露あるいは腹腔內(nèi)投與による骨髄細胞を用いた小核試験では、マウスの腹腔內(nèi)投與による試験のみで陽性、他は全て陰性 (SIDS (2003)、ACGIH (7th, 2011)、PATTY (6th, 2012))、マウスの強制経口投與による末梢血を用いた小核試験では、陽性結果が報告されている (NTP DB (2015))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養(yǎng)細胞の遺伝子突然変異試験では概ね陰性であるが、哺乳類培養(yǎng)細胞の染色體異常試験、姉妹染色分體交換試験では陽性である (SIDS (2003)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2011)、NTP DB (2015))。以上より、in vivoではマウスの小核試験では経口投與、腹腔內(nèi)投與で陽性結果が存在すること、in vitroで染色體異常試験、姉妹染色分體交換試験で陽性であることから、本物質は染色體異常を誘発すると考えられ、區(qū)分2とした。 なお、舊分類の區(qū)分を見直した。
発がん性
GHS分類: 分類できない ヒトの発がん性に関する情報はない。実験動物ではラット、又はマウスに本物質を2年間吸入ばく露した発がん性試験において、両種?両性ともに400 ppm までの用量で腫瘍発生率の有意な増加はみられていない (厚労省委託がん原性試験結果 (2015))。しかし、非腫瘍性病変としては、ラット、マウスともに鼻腔に炎癥性変化、呼吸上皮の化生、嗅上皮の萎縮などがみられ、かつ最高投與群では體重増加抑制がラットの雌雄、及びマウスの雄に認められている (厚労省委託がん原性試験結果 (2015)) ことから、用量設定は適切であったと判斷される。すなわち、吸入経路では區(qū)分外相當と考えられるが、他経路での発がん性に関しては情報がない。國際機関による分類結果もなく、よって本項はデータ不足のため、分類できないとした。
生殖毒性
GHS分類: 分類できない 妊娠雌ラットの器官形成期 (妊娠6~15日) に本物質蒸気を吸入ばく露した催奇形性試験において、高用量 (400 ppm) 群では、母動物に體重増加抑制、胎児に體重の低値 (雌雄)、及び骨化遅延がみられ、中用量 (200 ppm) 群では雄のみ胎児體重の低値がみられたが、胎児死亡、奇形誘発など重大な発生毒性は母動物毒性が明白な 400 ppm までの用量では認められていない (SIDS (2003)、ACGIH (7th, 2011))。以上の胎児にみられた変化は分類ガイダンスに基づき、軽微な変化として分類根拠には含めない。一方、吸入経路での優(yōu)性致死試験では、本物質をばく露した雄ラットと未処理の雌ラットを交配させた結果、雌の受胎率の軽度低下がみられたとの報告がある (ACGIH (7th, 2011)) が、SIDS では変異原性試験の項で、“著床後胚損失の有意な増加”は統(tǒng)計解析の信頼性を欠いており、優(yōu)性致死陽性の根拠はないとされている (SIDS (2003))。この他、生殖能への影響評価試験として分類に利用可能なデータはなく、データ不足のため分類できないとした。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
GHS分類: 區(qū)分1 (中樞神経系)、區(qū)分3 (気道刺激性) ヒトの吸入ばく露で、わずかな局所刺激性のほか、眩暈、頭痛、吐き気、嘔吐、意識喪失などが知られている (SIDS (2003)、PATTY (6th, 2012))。 実験動物では、ラットの経口投與で、485~760 mg/kg (區(qū)分2相當の用量範囲) で低迷、不安定歩行、衰弱、振戦、痙攣などがみられ、生存例では1~2日以內(nèi)に回復した (ACGIH (7th, 2011)、SIDS (2003))。ラットの2.62~3.83 mg/L (區(qū)分1相當の用量範囲) の吸入ばく露で、自発運動低下、正向反射低下、振戦などがみられた (SIDS (2003))。また、ラットの5.01 mg/L (區(qū)分1相當の用量範囲) の吸入ばく露で中樞神経系抑制により死亡したとの報告がある (ACGIH (7th, 2011))。ウサギの790~1,370 mg/kgの経皮ばく露で、麻酔、昏睡などの報告がある (SIDS (2003))。また、PATTY (6th, 2012) においても麻酔作用の所見が記載されている。 以上より、実験動物での振戦や痙攣から中樞神経系影響、その他の影響として気道刺激性があり、區(qū)分1 (中樞神経系)、區(qū)分3 (気道刺激性) とした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
GHS分類: 分類できない ヒトに関する情報はない。 実験動物では、投與回數(shù)が少ないが、ラットを用いた2週間強制経口投與毒性試験において、500 mg/kg/dayの用量を4回投與した結果 (4回投與までに、3例死亡、2例は狀態(tài)悪化のため4回の投與で安楽死)、呼吸困難、抑うつ、振戦、運動失調、膀胱弛緩、肺のうっ血、角膜混濁、胸腺壊死、肝細胞腫脹?うっ血、腎癥、腸間膜リンパ節(jié)のリンパ節(jié)炎、心臓の炎癥がみられている (SIDS (2003)、PATTY (6th, 2012))。ウサギを用いた2週間経皮投與試験において、975 mg/kg/dayを4回適用した結果 (4回適用までに死亡がみられたため4回の適用で中止し、その後適用せず12日に安楽死)、皮膚刺激性 (棘細胞増生、皮下浮腫、皮膚炎、出血、うっ血、壊死)、死亡 (雄1/6、雌3/6)、活動性低下、虛脫、流涎、振戦。喘ぎ呼吸、痙攣、チアノーゼ、脳の出血?変性、胸腺?脾臓?リンパ節(jié)のうっ血及び出血、リンパ球減少あるいは壊死がみられている (SIDS (2003)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2011))。 さらに、吸入経路においても區(qū)分2を超える範囲であるが、ラットを用いた14週間吸入ばく露試験においても同様の所見がみられ、運動失調、死亡例で小脳核、前庭核、線條體の急性変性、胸腺リンパ球の急性変性、生存例で脳のグリオーシス、脳軟化がみられている (SIDS (2003)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2011))。 以上のように、中樞神経系が標的臓器と考えられるが。経口投與及び経皮投與試験では投與回數(shù)が4日間と少ないことから、ガイダンスに従い分類には採用しなかった。また、吸入経路では區(qū)分2の範囲に影響はみられなった。 したがって、分類できないとした。
吸引性呼吸器有害性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、HSDB (2015) に収載された數(shù)値データより、動粘性率計算値は0.62 mm2/sec (20℃) (粘性率: 0.6 mPa?s; 密度(比重): 0.9721) と算出される。