急性毒性
経口
ラットを用いた急性経口毒性試験(OECD TG 401、GLP)のLD50値 490 mg/kg(雄)、1,050 mg/kg(雌)(SIDS(2003))から、區(qū)分4とした。
経皮
ラットを用いた経皮投與試験(OECD TG 402)のLD50値 2,631 mg/kg(SIDS(2003))、ウサギを用いた経皮投與試験(OECD TG 402)のLD50値 748-1,700 mg/kg(SIDS(2003))のうち、試験年度が新しく低値である748 mg/kgから、區(qū)分3とした。
吸入
吸入(ミスト): データがないので分類できない。
吸入(蒸気): ラットを用いた4時間吸入ばく露試験(OECD TG 403、GLP)でLC50値が1,036-1,105 ppm(雄)、>1,105 ppm(雌)(SIDS(2003))との記述があり、SIDS(2003)ではLC50値を1,036-1,105 ppmとしている。本物質の飽和蒸気圧濃度1,970 ppm(20℃)より、気體基準を適用し、區(qū)分3とした。
吸入(ガス): GHS定義上の液體であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
皮膚腐食性?刺激性
SIDS(2003)に、ウサギを用いた4時間皮膚刺激性試験で「slight irritation」との結果と、「壊死」との結果が記述されている。これらを含む多くの実験結果に基づき、SIDS(2003)は「皮膚刺激性有り」と結論しているので、區(qū)分2とした。
眼に対する重篤な損傷?刺激性
SIDS(2003)に、ウサギを用いた眼刺激性?腐食性試験(OECD TG 405)で、「観察期間中に回復しない結膜浮腫、角膜混濁がみられた」旨の記述があり、SIDS(2003)はこの実験結果に基づき「非可逆的損傷を起こす」と結論しているので、區(qū)分1とした。
呼吸器感作性又は皮膚感作性
皮膚感作性:SIDS(2003)に、GLPと非GLPによるモルモットを用いたMaximization試験(OECD TG406)で「skin sensitizing potential」と記述されており、SIDS(2003)では「mild skin sensitizing」と結論しているので、區(qū)分1とした。
呼吸器感作性:データがないので分類できない。
生殖細胞変異原性
體細胞in vivo変異原性試験(マウスを用いた小核試験)(OECD TG 474、GLP)で「陰性」(SIDS(2003))の記述より、區(qū)分外とした。
発がん性
主要な國際的評価機関による評価がなされておらず、データもないので分類できない。
生殖毒性
SIDS(2003) に、雄ラットを用いた28日間経口投與試験で「生殖器に影響はみられなかった」旨の記述と、雌雄ラットを用いた9日間吸入ばく露試験で「生殖器に影響はみられなかった」旨の記述がある。また、ラットを用いた吸入ばく露による出生前発生毒性試験(OECD TG 414、GLP)で「母動物の體重と摂餌量の減少がみられる用量で、著床、胚、胎児に影響はみられない」旨の記述がある。しかし、生殖能への影響や、出生後の児に対する影響についてのデータがないので、分類できない。
特定標的臓器?全身毒性(単回ばく露)
ラットを用いた急性経口毒性試験(OECD TG 401、GLP)において「呼吸困難、鼻汁、濕性ラ音、運動失調、自発運動の低下」(SIDS(2003))、ウサギを用いた経皮投與試験(OECD TG 402)において「自発運動の低下、運動失調」(SIDS(2003))の記述があるが、投與量が不明のため、區(qū)分1/2(全身毒性)とした。
特定標的臓器?全身毒性(反復ばく露)
ラットを用いた28日間経口投與試験(OECD TG 407)において、「521 mg/kg(90日換算値:162 mg/kg)群の雌雄で赤血球數(shù)及びヘモグロビン値の低下、ビリルビン増加、組織病理學的検査において赤碑髄への色素及び血液の沈著が見られ、104 mg/kg及び521 mg/kg群の雄でクレアチニンのわずかな増加が見られた」(SIDS(2003))旨の記述があり、SIDS(2003)では「521 mg/kg群でわずかに溶血性を生じる。NOAEL:104 mg/kg」と結論している。また、ラットを用いた21日間経皮投與試験において、「1,650 mg/kgまでの投與で血液學的、生化學的、組織學的変化はみられなかった」(IUCLID(2000))旨の記述がある。一方、ラットを用いた100日間吸入ばく露試験で「肝臓の酸化還元機能への影響(酸素要求量減少、カタラーゼ活性減少、血中乳酸、ピルビン酸減少)、中樞神経系影響」(IUCLID(2000))が、ガイダンス値から判斷すると區(qū)分1相當でみられるが、List2のデータであって、判定基準1b3)を満たさないため、本ガイダンスに従って區(qū)分2(肝臓、中樞神経系)とした。
吸引性呼吸器有害性
データがないので分類できない。