急性毒性
経口
GHS分類: 區(qū)分3 ラットのLD50値として、272~289 mg/kg (SIAP (2012))、348 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) の2件の報告がある。1件が區(qū)分3、1件が區(qū)分4に該當するが、有害性の高い區(qū)分を採用し、區(qū)分3とした。
経皮
GHS分類: 區(qū)分3 ラットのLD50値として、370 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) 及び380 mg/kg (SIAP (2012)) の報告に基づき、區(qū)分3とした。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における液體である。
吸入:蒸気
GHS分類: 區(qū)分2 ラットの2時間吸入LC50値として、1,900 mg/m3 (365.1 ppm、4時間換算値: 258.2 ppm) の報告 (PATTY (6th, 2012) に基づき、區(qū)分2とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (3,960 ppm) の90%より低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
GHS分類: 區(qū)分1 ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、腐食性がみられたとの報告 (GESTIS (Access on May 2017))、本物質の5 g/L水溶液のpHが12であり (GESTIS (Access on May 2017)) 、腐食性が本物質の水溶液のアルカリ性に起因するとの記載 (SIAP (2012)) から、區(qū)分1とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
GHS分類: 區(qū)分1 ウサギを用いた眼刺激性試験において、結膜充血、流涙、結膜浮腫、眼瞼痙攣がみられたとの報告 (GESTIS (Access on May 2017))、本物質の5 g/L水溶液のpHが12であり (GESTIS (Access on May 2017)) 、腐食性が本物質の水溶液のアルカリ性に起因するとの記載 (SIAP (2012)) から、區(qū)分1とした。
呼吸器感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
GHS分類: 分類できない モルモットを用いた皮膚感作性試験で陰性の報告 (PATTY (6th, 2012), GESTIS (Access on May 2017)) があるが、動物數等の実験條件が不明なため、分類できないとした。
生殖細胞変異原性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
発がん性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
生殖毒性
GHS分類: 分類できない ラットを用いた混餌投與による反復投與毒性?生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、親動物には高用量 (1,500 ppm) まで一般毒性及び生殖毒性はみられず、児動物では中用量 (500 ppm) 以上で體重の低値がみられた (SIAP (2012))。児動物への影響は分類根拠としない軽微な影響であった。本試験はスクリーニング試験のため、この結果のみで區(qū)分外とはできず、データ不足のため分類できないとした。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
GHS分類: 區(qū)分1 (中樞神経系)、區(qū)分3 (気道刺激性) ヒトでの本物質の単回ばく露の情報はない。実験動物ではラット、マウス、ウサギ、モルモットを用いた試験で、経口、経皮、吸入のいずれの経路でも脫力、振戦、流涎、喘ぎ、痙攣が認められ、吸入ばく露ではこれらの癥狀に加えて呼吸器への刺激がみられたとの報告がある (PATTY (6th, 2012))。 これらの試験では、影響がみられた用量の詳細な記載はないが、経口のLD50値が區(qū)分2相當の320~620 mg/kg、経皮LD50値と吸入LC50値 (4時間換算値) は各々區(qū)分1相當の370 mg/kg及び149.5~258.2 ppmと報告されており、影響はLD50値及びLC50値付近の用量で認められたと考えられる。また、SIAP (2012) では、ラットにおいて、用量の詳細な記載はないが、本物質を含む第4級アミン類の経口及び経皮の急性ばく露による毒性癥狀として、呼吸、歩行及び直立姿勢への影響、痙攣、振戦、運動失調、嗜眠が報告されている。ラットの本物質の経口及び経皮のLD50値は各々區(qū)分1相當の272~289 mg/kg及び380 mg/kgと報告されている (SIAP (2012)) ことから、これらの影響はLD50値付近の區(qū)分1範囲の用量でみられたと考えられる。以上より本物質は區(qū)分1相當の用量で中樞神経系に影響を示し、また気道刺激性を有すると考えられる。したがって區(qū)分1 (中樞神経系)、區(qū)分3 (気道刺激性) とした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
GHS分類: 分類できない ヒトにに関する情報はない。 実験動物については、ラットを用いた混餌による反復投與毒性?生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、試験の最高用量であり、區(qū)分2のガイダンス値の範囲內である1,500 ppm (雄: 91~104 mg/kg/day (90日換算値: 28~32 mg/kg/day)、雌: 85~147 mg/kg/day (90日換算値: 26~46 mg/kg/day)) において全身及び局所毒性のいずれも生じていないとの報告がある (SIAP (2012))。しかし、試験の最高用量であることからこの用量を超えるガイダンス値範囲內の用量での影響が不明のため分類できない。 また、ラットを用いた9回吸入ばく露した試験において、0.39 mg/Lで鼻粘膜の軽度過形成及び肥大の報告がある (SIAP (2012))。しかし、ばく露期間が短く、ばく露頻度も不明のため分類に用いなかった。
吸引性呼吸器有害性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、GESTIS (Access on May 2017) に収載された數値データ (粘性率: 1.16 mPa?s (25℃)、密度: 0.85 g/cm3 (20℃)) より、動粘性率は1.36 mm2/sec (25/20℃) と算出される。