急性毒性
経口
ラットのLD50値として、4,800 mg/kg (ACGIH (7th, 2013))、> 5,000 mg/kg (ACGIH (7th, 2013)、環(huán)境省リスク評価第7巻:暫定的有害性評価シート (2009)、DFGOT vol. 18 (2002))、6,482 mg/kg (EU-RAR (2003)) との報告に基づき、區(qū)分外とした。
経皮
ラットのLD50値として、> 2,000mg/kg (EU-RAR (2003)、DFGOT vol. 18 (2002)) 及びウサギのLD50値として、> 5,000 mg/kg (ACGIH (7th, 2013)、DFGOT vol. 18 (2002)) との報告に基づき、區(qū)分外とした。
吸入:ガス
GHSの定義における液體である。
吸入:蒸気
データ不足のため分類できない。ラットのLC50値 (4時間) として、> 49mg/L (16,170 ppm) との報告 (EU-RAR (2003)、DFGOT vol. 18 ( 2002)) があるが、このデータからではLC50値が區(qū)分4の上限20,000 ppmを超えるか判定できず區(qū)分を特定できないため、「分類できない」とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (2,061,125 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準(zhǔn)値を適用した。
吸入:粉じん及びミスト
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
ウサギに本物質(zhì)0.5 mLを4時間半閉塞適用した皮膚刺激性試験 (OECD TG及びEUガイドラインに準(zhǔn)拠) において、適用1時間後に紅斑 (グレード1) がみられたが、すべて48 時間以內(nèi)に消失した (EU-RAR (2003))。また、ヒトの皮膚に本物質(zhì)を滴用した結(jié)果、刺激性はみられなかった (EU-RAR (2003)、DFGOT vol. 18 (2002)) との報告がある。以上の結(jié)果から區(qū)分外とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
ウサギに本物質(zhì)の原液0.1 mLを適用したドレイズ試験 (OECD TG及びEUガイドラインに準(zhǔn)拠) において、重度の刺激癥狀が、角膜 (24、48 及び 72 時間の平均スコアは1、1.7、1.3)、虹彩 (平均スコア1、1 、1) に認(rèn)められ、褪色や出血を伴う結(jié)膜の発赤(平均スコア 1.7、1.7、 2) 及び浮腫 (平均スコア 2.7、2.3、3) も認(rèn)められたが、癥狀は7 日以內(nèi)に回復(fù)したとの報告がある (EU-RAR (2003))。以上、回復(fù)性の記載をもとに區(qū)分2Bとした。なお、本物質(zhì)はEU DSD分類で「Xi : R36」、EU CLP分類で「Eye Irrit.2 H319」に分類されている。
呼吸器感作性
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
ヒトにおいて、本物質(zhì)のばく露による接觸アレルギーの報告はなく、本物質(zhì)は皮膚感作性を示す可能性は低いとの記載がある (EU-RAR (2003))。また本物質(zhì)は、水と接觸するとメタノールと酢酸に加水分解される。25 人のボランティアで行ったマキシマイゼーションテストにおいても、本物質(zhì)10%の適用により感作性は認(rèn)められなかったとの報告がある (EU-RAR (2003)、DFGOT vol. 18 (2002))。以上の結(jié)果から、區(qū)分外とした。
生殖細胞変異原性
ガイダンスの改訂により「區(qū)分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、ラット骨髄細胞の小核試験で陰性 (EU-RAR (2003)、ACGIH (7th, 2013))、in vitroでは、細菌の復(fù)帰突然変異試験で陰性である (ACGIH (7th, 2013)、EU-RAR (2003)、DFGOT vol. 18 (2002)、NTP DB (Access on October 2014)、IUCLID (2000))。
発がん性
データ不足のため分類できない。
生殖毒性
データ不足のため分類できない。 なお、SIAP (2006) では、代謝物であるメタノール、酢酸のデータを基に評価している。酢酸の胎児毒性あるいは催奇形性は示されていない。しかし、メタノールは母動物毒性がみられる高濃度でげっ歯類の胚/胎児毒性及び催奇形性を示す (SIAP (2006))。
特定標(biāo)的臓器毒性(単回ばく露)
本物質(zhì)は、気道刺激性がある (環(huán)境省リスク評価第7巻:暫定的有害性評価シート (2009)、産衛(wèi)學(xué)會許容濃度の提案理由書 (1963)、EU-RAR (2003)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 18 (2002))。ヒトにおいては、蒸気吸入ばく露で、咳、咽頭痛、息苦しさ、感覚鈍麻、頭痛、めまい、脫力感、不安定歩行、麻酔作用、意識喪失、嗜眠、中樞神経系抑制、視神経障害として、両眼視力の一過性喪失、視神経の両側(cè)性萎縮、視野狹窄の報告がある。また、経口摂取で、腹痛、吐き気、嘔吐、脫力感、痙攣、呼吸困難の報告がある (環(huán)境省リスク評価第7巻:暫定的有害性評価シート (2009)、産衛(wèi)學(xué)會許容濃度の提案理由書 (1963)、EU-RAR (2003)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 18 (2002))。 実験動物では、ネコへの56.1 mg/Lの蒸気吸入ばく露で、麻酔作用、呼吸困難がみられたがその後回復(fù)した(ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 18 (2002))。このネコでの所見は、ガイダンス値の區(qū)分2を上回る用量であった。 以上より、本物質(zhì)は視神経への影響、気道刺激性、麻酔作用が考えられ、區(qū)分1 (視神経)、區(qū)分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。中樞神経系抑制作用は麻酔作用とみなした。
特定標(biāo)的臓器毒性(反復(fù)ばく露)
狹い部屋で本物質(zhì)の蒸気にばく露 (ばく露條件 (濃度、期間) 不明) されたヒトで頭痛、めまい等の初発癥狀の後、視力低下をきたし、両側(cè)性の視神経萎縮及び視野狹窄がみられたとの癥例報告 (ACGIH (7th, 2013)、環(huán)境省初期リスク評価第7巻: 暫定有害性評価シート (2009)) がある。本物質(zhì)は生體內(nèi)でメタノールと酢酸に分解される、視神経障害は代謝物であるメタノールによる影響と考えられる (ACGIH (7th, 2013)) との記述がある。この他、職場で本物質(zhì)に吸入ばく露された場合、また、本物質(zhì)を含む溶剤 (シンナー等) を吸入により亂用した場合、視神経の萎縮を生じることがある (DFGOT vol. 18 (2002)、ACGIH (7th, 2013)) との記述もある。 実験動物ではラットに本物質(zhì)を28日間鼻部ばく露 (蒸気と推定) した試験において、350 ppm (1,057 mg/m3 (90日換算: 0.33 mg/L/6時間)) まで影響はみられず、區(qū)分2を超える 2,000 ppm (6,040 mg/m3 (90日換算: 1.88 mg/L/6時間)) で、呼吸器の傷害 (嗅上皮の変性、壊死) がみられた (EU-RAR (2003)、ACGIH (7th, 2013)、環(huán)境省初期リスク評価第7巻: 暫定有害性評価シート (2009))。しかし、この試験結(jié)果では區(qū)分2上限濃度での呼吸器影響の有無は不明であり、分類に利用できない。この他、実験動物で分類に利用可能なデータはない。 以上、ヒトでの知見より區(qū)分1 (視神経) に分類した。なお、舊分類は実験動物での知見より分類できないとされたが、今回はACGIH (7th, 2013) 等のヒトでの知見を基に分類した。
吸引性呼吸器有害性
データ不足のため分類できない。