急性毒性
経口
ラットの経口LD50値として、4,000 mg/kg (雄、雌) [OECD TG 401、GLP準拠] (SIDS (2005)) より、JIS分類基準の區(qū)分外 (國連分類基準の區(qū)分5) とした。なお、他にLD50=約1,850 mg/kg (SIDS (2005))、1,500 mg/kg (雌)、2,032 mg/kg (雄)、 (以上、PATTY (6th, 2012)) があるがGLP準拠データを採用した。
経皮
ラットの経皮LD50値> 2,000 mg/kg 及び2,000 mg/kg 用量で死亡、毒性癥狀なしとの報告 [OECD TG 402] (SIDS (2005))、ウサギの経皮LD50値> 2,000 mg/kg の報告 (PATTY (6th, 2012)) に基づき、區(qū)分外とした。
吸入:ガス
GHSの定義における液體である。
吸入:蒸気
データ不足のため分類できない。なお、ラット (雄、雌) へ本物質の蒸気を4時間ばく露した試験において、> 42.1 ppm で死亡例がなかったとの報告がある (SIDS (2005))。試験濃度が飽和蒸気圧濃度89.832 ppmより低いため、ミストをほとんど含まない蒸気としてppmを単位とする基準値を適用した。
吸入:粉じん及びミスト
データ不足のため分類できない。なお、ラット (雄、雌) へ本物質のエアロゾルを4時間ばく露した試験において、> 2.04 mg/L で死亡例がなかったとの報告がある (SIDS (2005))。試験濃度が飽和蒸気圧濃度0.6991 mg/L より高いため、ミストとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
ウサギを用いた皮膚刺激性試験で「刺激性なし」 (SIDS(2005)) との結果があることから、區(qū)分外とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
ウサギを用いた眼刺激性試験で「刺激性なし」 (SIDS (2005)) との結果があることから、區(qū)分外とした。
呼吸器感作性
呼吸器感作性:データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
皮膚感作性:SIDS (2005) には、モルモットを用いたビューラー法 (OECD TG 406準拠) で陰性との報告があり、試験群の動物數 (20匹) や被験物質の適用方法等がOECDガイドラインを満たした試験であることから、區(qū)分外とした。
生殖細胞変異原性
分類ガイダンスの改訂により「區(qū)分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性である (IUCLID (2000))。in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養(yǎng)細胞の遺伝子突然変異試験で陰性 (IUCLID (2000))、哺乳類培養(yǎng)細胞の染色體異常試験で陰性、陽性の結果が存在する (IUCLID (2000))。しかし、SIDS (2005) では、本物質を含む一連のポリエチレングリコールエーテルにin vivoの遺伝毒性を示す証拠はないとしている。
発がん性
本物質の発がん試験データはないため分類できないとした。なお、関連物質として、プロピレングリコールメチルエーテルの慢性毒性/発がん試験データがあるが、発がん性は認められていない (SIDS (2005))。
生殖毒性
データ不足のため分類できない。ラットを用いた経皮ばく露による発生毒性試験で発生毒性はみられていない (SIDS (2005)、PATTY (6th, 2012))。しかし、他の情報が得られていないためデータ不足のため分類できないとした。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
データ不足のため分類できない。なお、経皮経路においてはラットの経皮投與 (OECD TG 402) でガイダンスの範囲內の用量 (2,000 mg/kg) で毒性がみられず (SIDS (2005)) ため區(qū)分外に相當する。他の経路に関する情報はない。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
ラットの経口投與では區(qū)分2までのガイダンス値の範囲內の用量では毒性所見は認められなかった (SIDS (2005))。しかし、本物質のエアロゾルをラットに2週間吸入ばく露した試験では、區(qū)分2のガイダンス値範囲の濃度 (90日換算:0.09 mg/L) で鼻腔上皮 の変化 (過形成、扁平上皮化生等) に加えて肝細胞の腫大が見られており (SIDS (2005))、標的臓器は呼吸器、肝臓と考えられた。以上より、區(qū)分2 (呼吸器、肝臓) とした。
吸引性呼吸器有害性
データ不足のため分類できない。