急性毒性
経口
【分類根拠】 (1)~(3)より、區(qū)分に該當しない。
【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(SIAR (2001)) (2)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(SIAR (2001)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2022)) (3)ラットのLD50:> 10,000 mg/kg(SIAR (2001))
経皮
【分類根拠】 (1)より、區(qū)分に該當しない。
【根拠データ】 (1)ウサギのLD50:> 10,000 mg/kg(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2022))
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における固體であり、區(qū)分に該當しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】 (1)より、區(qū)分に該當しない。
【根拠データ】 (1)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、GLP、半閉塞、4時間適用、72時間観察)において、1時間後に軽微な紅斑がみられたが、24時間後には消滅した(紅斑?痂皮スコア:0/0/0、浮腫スコア:0/0/0)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2022)、AICIS IMAP (2016))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】 (1)より、區(qū)分に該當しない。
【根拠データ】 (1)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP、72時間観察)において、みられた影響は72時間以內に回復した(角膜混濁スコア:0/0/0、虹彩炎スコア:0/0/0、結膜発赤スコア:0.3/0.3/0)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2022)、AICIS IMAP (2016))。
呼吸器感作性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】 (1)、(2)より、區(qū)分に該當しない。
【根拠データ】 (1)ゴム製品による接觸性皮膚炎患者について、アレルギー反応を起こす原因化學物質を調べる試験で、患者16 人に0.1、1、10%濃度でパッチテストを行った結果、陽性反応はなかったとの報告がある(SIAR (2001)、MOE 初期評価暫定的有害性評価シート (2009)、AICIS IMAP (2016))。 (2)マウス(n=6/群)を用いた局所リンパ節(jié)試験(LLNA)(OECD TG 429、GLP)において、SI値は1.17(2%)、1.16(10%)、1.22(50%)であった(區(qū)分に該當しない範囲)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2022))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】 (1)、(2)より、區(qū)分に該當しない。
【根拠データ】 (1)In vivoでは、マウスの骨髄赤血球を用いた小核試験(単回経口投與、5,000 mg/kg)で陰性の報告がある(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed 2022))。 (2)In vitroでは、細菌復帰突然変異試験(OECD TG471 & 472、GLP)、チャイニーズハムスターの肺由來細胞(CHL/IU)を用いた染色體異常試験(OECD TG473、GLP)及びチャイニーズハムスター肺線維芽細胞(V79)を用いた遺伝子変異試験(OECD TG476、GLP)において、代謝活性化の有無に関わらず陰性の報告がある(厚労省既存點検結果 (Accessed 2022)、SIAR (2001)、AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed 2022))。
発がん性
【分類根拠】 データ不足で分類できない。
【根拠データ】 (1)ラット(30匹/性/群)を用いた18ヵ月間混餌投與による慢性毒性試験において、最高用量の1,000 ppm(雄:42.3 mg/kg/day、雌:54.3 mg/kg/day)で體重増加抑制及び肝重量増加でみられたが、雌雄ともに投與に関連した腫瘍性病変は認められなかった(SIAR (2001) 、AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed 2022))。
生殖毒性
【分類根拠】 (1)、(2)より、本物質投與による雄の精巣毒性及び精子への影響は一般毒性影響が明瞭に現(xiàn)れない用量から生じることが示唆されたことから、區(qū)分1Bとした。
【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投與による生殖発生毒性スクリーニング試験(OECD TG421、GLP)において、親動物では雌雄親動物に一般毒性影響がみられない用量(50 mg/kg/day)から用量依存的な精巣毒性(精巣精細管の萎縮?変性、巨細胞)と精子への影響(數(shù)減少、活動性低下、奇形精子の頻度増加)が認められ、母體に體重増加抑制及び摂餌量減少がみられる用量(200及び800 mg/kg/day)では、黃體數(shù)及び著床痕數(shù)の減少又は減少傾向、児動物に生後0日及び4日の生存率の低値、低體重がみられたとの報告がある(厚労省 既存點検結果 (Accessed 2022)、SIAR (2001)、MOE 初期評価 (2009)、 AICIS IMAP (2016)、EU REACH CoRAP (2017)、EU CLP CLH (2019))。 (2)(1)でみられた雄の精巣毒性及び授精能(精子)への影響はラットを用いた28日~18ヵ月間混餌投與による反復投與毒性試験でも一貫してみられている(EU REACH CoRAP (2017)、EU CLP CLH (2019))。
【參考データ等】 (3)雌ラットの妊娠7~17日に強制経口投與された発生毒性試験では、顕著な母動物毒性(死亡、體重増加抑制、摂餌量減少、下痢等)がみられる用量で、子宮內胎児死亡の増加傾向がみられたとの報告がある(EU REACH CoRAP (2017)、EU CLP CLH (2019)、SIAR (2001)、AICIS IMAP (2016))。 (4)EUではRepr. 1Bに分類され、SVHC候補物質としてリストされている(EU REACH SVHC (2021))。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)
【分類根拠】 (1)、(2)より、経口及び経皮経路では區(qū)分に該當しないものの、吸入経路ではデータ不足のため分類できない。
【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回経口投與試験において、10,000 mg/kg(區(qū)分に該當しない範囲)で抑うつの癥狀はみられたものの、死亡例はみられなかったとの報告がある(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2022))。 (2)ウサギを用いた単回経皮投與試験において、10,000 mg/kg(區(qū)分に該當しない範囲)で死亡例はみられなかったとの報告がある(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報(Accessed Dec. 2022))。
【參考データ等】 (3)ラット、マウス、モルモット、ウサギを用いた単回吸入ばく露試験において、本物質4 gを400 Lの部屋で180 ℃に加熱した空気にばく露した結果、呼吸困難がみられたものの死亡例はみられなかったとの報告がある(AICIS IMAP(2016))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)
【分類根拠】 (1)~(4)より、區(qū)分2の範囲で雄性生殖器への影響がみられたことから、區(qū)分2(生殖器(男性))とした。
【根拠データ】 (1)ラットを用いた28日間強制経口投與試験において、50 mg/kg/day(90日換算:15.6 mg/kg/day、區(qū)分2の範囲)以上で、凝固時間(PT、APTT)の延長又は延長傾向、肝臓重量の増加、200 mg/kg/day(90日換算:62.2 mg/kg/day、區(qū)分2の範囲)以上で、小葉中心性肝細胞肥大、精巣のセルトリ細胞の空胞化及び精子の分化障害(ステップ19精子細胞の変性)がみられたとの報告がある(厚労省 既存點検結果、SIAR (2001)、MOE 初期評価 (2009)、AICIS IMAP (2016)、EU REACH CoRAP (2017)、EU CLP CLH (2019))。 (2)ラットを用いた強制経口投與による生殖発生毒性スクリーニング試験(OECD TG421、GLP)において、雄に精巣?精子への影響(活動精子率、生存精子率、精子數(shù)及び精巣上體尾部1g當たりの精子數(shù)の低値及び奇形精子率の増加)が50 mg/kg/day(90日換算:27.8~28.9 mg/kg/day、區(qū)分2の範囲)以上で用量依存的にみられた。病理組織學的にも50 mg/kg/day(90日換算:27.8~28.9 mg/kg/day、區(qū)分2の範囲)以上で、雄に精巣で巨細胞形成がみられたとの報告がある(厚労省 既存點検結果、SIAR (2001)、MOE 初期評価 (2009)、AICIS IMAP (2016)、EU REACH CoRAP (2017)、EU CLP CLH (2019))。 (3)ラットを用いた13週間混餌投與試験において、1,000 ppm(76 mg/kg/day(雄)、113 mg/kg/day(雌)、區(qū)分2の範囲)以上で、雄に精巣絶対/相対重量減少、精巣の重度萎縮がみられたとの報告がある(EU REACH CoRAP (2017)、EU CLP CLH (2019)、AICISIMAP(2016))。 (4)ラットを用いた12週間混餌投與試験及び18ヵ月間混餌投與試験において、區(qū)分2範囲の1,200 ppm(88 mg/kg/day(雄)、104 mg/kg/day(雌)、90日換算:81 mg/kg/day(雄)、96 mg/kg/day(雌))、及び1,000 ppm(42.3 mg/kg/day(雄)、54.2 mg/kg/day(雌))で、雄に精巣毒性(重量減少、精子形成減少/停止、精細管萎縮、巨細胞の出現(xiàn)、間質の浮腫、精巣上體の低精子癥など)がみられたとの報告がある(EU REACH CoRAP (2017)、SIAR (2001)、MOE 初期評価(2009)、ECHA RAC (Background Doc.) (2019))。
誤えん有害性*
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。