急性毒性
経口
【本物質の健康有害性について、分類結果が「分類できない」の場合、ジニトロトルエン (異性體混合物) (CAS番號 25321-14-6) も參照のこと。ジニトロトルエン (異性體混合物) は、健康有害性への影響を及ぼす異性體の全てを特定できていないが、情報が參考になると考えられる。】
【分類根拠】
(1)、(2) より、區(qū)分3とした。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 216 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)、MOE初期評価第5巻 (2006)、GESTIS (Access on April 2020)、HSDB (Access on April 2020))
(2) ラットのLD50: 雄: 309 mg/kg、雌: 216 mg/kg (MAK (DFG) vol.6 (1994))
経皮
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: ガス
【分類根拠】
GHSの定義における固體であり、區(qū)分に該當しないとした。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】
(1)、(2) より、區(qū)分に該當しないとした。新たなデータが得られたことから分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) 本物質はウサギを用いた皮膚刺激性試験 (ドレイズ法) で刺激性を示さない (厚労省リスク評価書 (2009)、MAK (DFG) vol.6 (1994)、ACGIH (7th, 2001))。
(2) 本物質は改変ドレイズ法によるウサギを用いた皮膚刺激性試験で刺激性を示さない (GESTIS (Access on April 2020))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】
(1)、(2) より、區(qū)分に該當しないとした。新たなデータが得られたことから分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) ウサギを用いた眼刺激性試験 (ドレイズ法) で本物質を含むジニトロトルエンの6 つの異性體は全てウサギの眼に対する刺激性を示さなかった (厚労省リスク評価書 (2009)、MAK (DFG) vol.6 (1994)、ACGIH (7th, 2001))。
(2) 本物質はウサギの眼に対して刺激性を示さない (GESTIS (Access on April 2020))。
呼吸器感作性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】
(1) より、區(qū)分に該當しないとした。新たなデータが得られたことから分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) 本物質のモルモット (10 匹、性別不明) を用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で陰性と報告されている (厚労省リスク評価書 (2009)、NITE初期リスク評価書 (2005)、ATSDR (2016)、MAK (DFG) vol.6 (1994)、GESTIS (Access on April 2020))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】
(1)、(2) より、區(qū)分に該當しないとした。
【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウスの優(yōu)性致死試験、ラット末梢血の染色體異常試験及びラット肝細胞のDNA損傷試験において陰性の報告がある (ATSDR (2016)、IARC 65 (1996)、MAK (DFG) vol.6 (1994)、NITE初期リスク評価書 (2005))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性及び陰性の報告がある。また、ほ乳類培養(yǎng)細胞の遺伝子突然変異試験で陰性の結果がある (IARC (1996)、MAK (DFG) vol.6 (1994)、NITE初期リスク評価書 (2005))。
【參考データ等】
(3) EU CLP分類でMuta. 2に分類されている。
発がん性
【分類根拠】
(1) よりEU CLPでは1Bに分類されているが根拠が不明である。IARCによる分類に基づき分類できないとした。
【根拠データ】
(1) 國內外の分類機関による既存分類では、IARCでグループ3 (IARC 65 (1996))、EU CLPでCarc.1B (EU CLP分類 (Access on April 2020)) に分類されている。
生殖毒性
【分類根拠】
生殖発生毒性試験データはないが、(1) より、雄ラットに精巣の重量減少、精細管の変性等がみられ、同様の変化が異性體である2,4-DNT (CAS番號 121-14-2) 、2,6-DNT (CAS番號 606-20-2) でみられている。(2) より、本物質の異性體である2,4-DNTにおいて、雄性生殖器毒性に関連すると考えられる生殖能に対する影響がみられたことから區(qū)分2に分類されている。したがって、本物質についても區(qū)分2とした。なお、データを見直したことから舊分類から分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) 種々のDNT異性體 (2,3-DNT、2,4-DNT、2,5-DNT、2,6-DNT、3,4-DNT、本物質) について雄ラットを用いた14日間反復投與毒性試験が実施された。その結果、2,4-DNT、2,6-DNT及び本物質で雄性生殖器に影響がみられた。本物質では、19 mg/kg/dayで精巣の矮小、精巣の重量減少、精細管の変性及び精巣における多核巨細胞形成がみられた。 2,4-DNTでは、142 mg/kg/day、2,6-DNTでは、68 mg/kg/dayで同様な影響がみられた。一方、2,3-DNT、2,5-DNT及び3,4-DNTでは、雄性生殖器に影響 (精巣及び精巣上體の重量及び病理組織學的影響等) はみられていない (ATSDR (2016))。
(2) 2,4-DNTでは、雄性生殖器毒性に関連すると考えられる生殖能に対する影響が親動物毒性用量でみられていることから、本年度 (2020年度) 分類において區(qū)分2と分類している。
【參考データ等】
(3) EU CLP分類ではRepr. 2に分類されている (EU CLP分類 (Access on April 2020))。