急性毒性
経口
【分類根拠】
(1)~(6) より、區(qū)分4とした。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 369 mg/kg (MOE初期評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010)、GESTIS (Access on June 2020))
(2) ラットのLD50: 雌: 560 mg/kg、雄: 614 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013))
(3) ラットのLD50: 雌: 560.2 mg/kg、雄: 613.7 mg/kg (農薬抄録 (2014))
(4) ラットのLD50: 雄: 584 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))
(5) ラットのLD50: 雌: 660 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))
(6) ラットのLD50: 雄: 722 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))
経皮
【分類根拠】
(1)~(3) より、區(qū)分に該當しないとした。
なお、新たな情報源の使用により、舊分類から分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) ウサギのLD50: > 2,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))
(2) ウサギのLD50: 3,540 mg/kg (GESTIS (Access on June 2020))
(3) ウサギのLD50: > 10,000 mg/kg (HSDB (Access on June 2020))
吸入: ガス
【分類根拠】
GHSの定義における液體であり、區(qū)分に該當しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
(1) より、區(qū)分4とした。
なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (0.06 mg/L) よりも高いため、ミストとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。
【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間): 雌: 1.39 mg/L、雄: 2.91 mg/L (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬工業(yè)會「日本農薬學會誌」第15巻第1號 (1990)、農薬抄録 (2014))
(2) 本物質の蒸気圧: 0.0056 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 0.06 mg/L)
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】
(1)、(2) より、區(qū)分に該當しない (國連分類基準の區(qū)分3相當) とした。
【根拠データ】
(1) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で軽度の刺激性が認められた (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬工業(yè)會「日本農薬學會誌」第15巻第1號 (1990))。
(2) ウサギを用いた24時間閉塞適用による皮膚刺激性試験で軽度の刺激性が認められた (農薬抄録 (2014))。
【參考データ等】
(3) 本物質は皮膚刺激性を示さない (EHC 76 (1988))。
(4) 本物質の 1%溶液を、接觸皮膚炎または非アレルギー皮膚炎の患者294 人に皮膚塗布した試験で、刺激性及びアレルギー反応はみられなかった (MOE初期評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】
(1)~(4) より、區(qū)分2Aとした。區(qū)分2A相當を示す新しいデータ (4) が得られたことから分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) 本物質は中等度の眼刺激性を有する (EHC 76 (1988)、HSDB (Access on June 2020))。
(2) ウサギを用いた眼刺激性試験で中等度~強度の刺激性が認められた (食安委 農薬評価書 (2013))。
(3) ウサギを用いた眼刺激性試験で中等度の刺激性が認められ、72時間後には回復した (農薬工業(yè)會「日本農薬學會誌」第15巻第1號 (1990))。
(4) ウサギを用いた眼刺激性試験で中等度~強度の刺激性が認められ、適用11日目には全て回復した (農薬抄録 (2014))。
呼吸器感作性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】
(1)~(4) の記載はあるが、詳細が不明或いは分類に利用できない情報であり分類できない。得られたデータを再検討した結果、分類結果を変更した。
【參考データ等】
(1) 本物質の1%溶液を接觸性皮膚炎または非アレルギー皮膚炎の患者294 人に皮膚塗布した試験で、刺激性及びアレルギー反応はみられなかった (MOE初期評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010))。
(2) モルモットを用いた皮膚感作性試験で陰性であった (食安委 農薬評価書 (2013))。
(3) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (Open Epicutaneous Test) で陰性であった (農薬工業(yè)會「日本農薬學會誌」第15巻第1號 (1990)、農薬抄録 (2014))。
(4) EU-CLP分類でSkin Sens. 1 (H317)に分類されている (EU CLP分類 (Access on June 2020))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】
(1)~(3) より、區(qū)分に該當しないとした。
【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験において陰性の報告がある (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))。
(2) in vitroでは、哺乳類培養(yǎng)細胞を用いた遺伝子突然変異試験において代謝活性化系存在下で弱い陽性の報告があるが、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養(yǎng)細胞を用いた染色體異常試験及び姉妹染色分體交換試験などその他のin vitro試験において陰性の報告である (食安委 農薬評価書 (2013)、農薬抄録 (2014))。
(3) 本物質は生體において問題となる遺伝毒性はないものと考えられるとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2014))。
発がん性
【分類根拠】
(1)~(3) より區(qū)分2とした。新たな情報源を用いて検討し、分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) 國內外の分類機関による既存分類では、EPAでS (Suggestive Evidence of Carcinogenicity, but not Sufficient to Assess Human Carcinogenic Potential) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on September 2020):2000年分類)、EU CLP分類でCarc.2 (EU CLP分類 (Access on May 2020)) に分類されている。
(2) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投與した2つ (Wistarラット及びSDラット) の慢性毒性/発がん性併合試験において、Wistarラットを用いた試験では、雄で精巣間細胞腫の発生頻度の有意な増加が、SDラットを用いた試験では、雄で腎細胞腺腫及びがん合計の発生頻度の有意な増加が認められた。どちらの試験においても雌では腫瘍発生は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2013))。
(3) 雌雄のマウスに本物質を18ヵ月間混餌投與した発がん性試験では、投與に関連した腫瘍性病変の増加は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2013))。
生殖毒性
【分類根拠】
(1)~(3) より、本物質による生殖影響が示され、(1) より、雌雄生殖器毒性による生殖能への影響がみられていることから區(qū)分1Bとした。なお、新たな情報源の使用により、舊分類から分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌による2世代繁殖試験において、雄親動物に10 ppm (0.8~1.1 mg/kg/day) 以上で異常精子數(shù)増加、15 ppm (1.3 mg/kg/day) で精子運動能低下等、雌親動物に50 ppm (4.7~5.6 mg/kg/day) 以上で卵巣間質細胞空胞化及び肥大、副腎束狀帯のび漫性微細脂肪変性等がみられ、両世代の雄15 ppm (P: 1.3 mg/kg/day、F1: 1.6 mg/kg/day)、雌300 ppm (P: 28.8 mg/kg/day、F1: 34.5 mg/kg/day) で生存児數(shù) (出生時及び哺育期) 減少、F1世代の雄15 ppm (F1: 1.6 mg/kg/day)、雌300 ppm (F1: 34.5 mg/kg/day) で交配成功率低下等がみられている (食安委 農薬評価書 (2013))。
(2) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投與した発生毒性試験において、重篤な母動物毒性 ((切迫屠殺1例)、流涎、體重體重増加抑制、摂餌量減少、赤血球コリンエステラーゼ (ChE) 活性阻害 (20%以上)) がみられる用量 (140 mg/kg/day) で、早期及び中期吸収胚數(shù)増加、生存胎児數(shù)減少、低體重、外表、內臓及び骨格変異増加がみられている (食安委 農薬評価書 (2013))。
(3) 雌ウサギの妊娠7~19日に強制経口投與した発生毒性試験において、重篤な母動物毒性 (流産 (4例)、體重増加抑制、肝絶対及び比重量増加) がみられる用量 (200 mg/kg/day) で、胎児に骨格変異 (胸骨分節(jié)不完全骨化、第15肋骨短小化) がみられている (食安委 農薬評価書 (2013))。
【參考データ等】
(4) 上記 (1) の繁殖試験において、ラットで精子運動性低下、交配成功率低下等が認められたことから、機序検討試験を実施した結果、雄の繁殖毒性の発生機序はコレステロール代謝障害によるステロイド合成阻害であることが示唆された (食安委 農薬評価書 (2013))。
(5) EU CLP分類はRepr. 2に分類されている (EU CLP分類 (Access on June 2020))